Bill Evans / Some Other Time

1968年6月15日のモントルー・ジャズ・フェスティバルの5日後、ドイツMPSスタジオで録音されたもの。この音源は1980年にエバンスが亡くなった時に発掘されたが、レーベルの事情などで発売が見送られたようである。それから35年以上経って、ようやく世に出たアルバム。

アルバムAt The Montreux Jazz Festivalでは、ベースのエディ・ゴメスとドラムのジャック・ディジョネットは少しはしゃぎ過ぎだった。だが、このスタジオ録音ではそんな感じは一切受けない。ライブをやりとげ、多少なりとも自信が付き、落ち着いて演奏に専念できたのだろう。それ以上に驚きなのは、2枚組21曲を一日で仕上げたことである。

Disc 1
1. You Go To My Head
2. Very Early
3. What Kind Of Fool Am I?
4. I'll Remember April
5. My Funny Valentine
6. Baubles, Bangles & Beads
7. Turn Out The Stars
8. It Could Happen To You
9. In A Sentimental Mood
10. These Foolish Things
11. Some Other Time

Disc 2
1. You're Gonna Hear From Me
2. Walkin' Up
3. Baubles, Bangles & Beads
4. It's Alright With Me
5. What Kind Of Fool Am I?
6. How About You
7. On Green Dolphin Street
8. Wonder Why
9. Lover Man (Oh, Where Can You Be?)
10. You're Gonna Hear From Me [alternate take]

Bill Evans - piano
Eddie Gomez - bass
Jack DeJohnette - drums

Recorded on June 20, 1968 at MPS Studios, Villingen, Germany.

Bill Evans / At The Montreux Jazz Festival

ビル・エバンス、エディ・ゴメス、ジャック・ディジョネットによるトリオは、このモントルーの時のみ。3人の年齢は、38歳、24歳、26歳であった。若さゆえにゴメスとディジョネットは、時折はしゃぎ過ぎる感じもあるが、ライブ演奏としては、よくまとまっている。

ゴメスは、エバンスに1966年から77年まで付き合った。ディジョネットは、この時限りである。エバンスがノーと言ったのか、ディジョネットが自ら出て行ったのか。その後のディジョネットの動きからは、後者のような気がする。つまり、ピアノとベースによるインタープレイに重きが置かれるトリオであって、これでは自分は成長できないと感じたのだろう。ちなみに、1980年にこのトリオによる新たな音源が発掘。ライブから5日後にドイツMPSスタジオで録音され、アルバムSome Other Timeとしてリリースされた。

1. One For Helen
2. A Sleepin' Bee
3. Mother Of Earl
4. Nardis
5. I Loves You, Porgy
6. The Touch Of Your Lips
7. Embraceable You
8. Some Day My Prince Will Come
9. Walkin' Up
10. Quiet Now

Bill Evans - piano
Eddie Gomez - bass (except tracks 5,10)
Jack DeJohnette - drums (except tracks 5,10)

Recorded on June 15, 1968 at Montreux Jazz Festival, Casino De Montreux, Switzerland.

Bill Evans / Bill Evans At Town Hall

1966年2月21日のニューヨーク・タウンホールでのライブ演奏。ジャケットにはVolume Oneと記載されている。つまりLPで発売されたときは、このアルバムに収録できなかった演奏でVolume Twoを制作する予定だった。だが、LPにするには使える曲が足りなかったようだ。結局、Volume Twoに入る予定だった3曲がCDに加えられ、ジャケットはLPをそのまま借用。

タウンホールという会場の性質から、しっとりとした、それでも緊張感のあるライブ演奏である。特に、13分40秒という長さのピアノソロIn Memory of His Fatherが、このアルバムの聴きどころ。このコンサートの直前に父を失ったらしい。

1. I Should Care
2. Spring Is Here
3. Who Can I Turn To
4. Make Someone Happy
5. Solo - In Memory Of His Father
6. Beautiful Love
7. My Foolish Heart
8. One For Helen

Bill Evans - piano
Chuck Israels - bass (except track 5)
Arnold Wise - drums (except track 5)

Recorded on February 21, 1966 at The Town Hall, NYC.