2014年7月5日、町田Nica'sに元岡一英、小杉敏、渡辺文男のピアノトリオを聴きに行ったとき、DUGの元オーナー・中平穂積氏が聴きに来ていた。渡辺文男さんから、このアルバムのチラシを受け取り、Amazonで翌日注文。以来、ピアノトリオの愛聴盤となった。ジャズが方向性を見失っていた90年代後半、日本のジャズ喫茶でのライブ録音。肩の力を抜いた本来の「聴いて酔える」ジャズがここにある。
ライナーノーツは寺島靖国氏。彼とは、ジャズに対する意見が本質的には合わない。昔、吉祥寺のメグも一度だけ行ってやめにした。だが、このライナーノーツで、意見を共にする部分を発見。「バド・パウエルなら〈クレオパトラの夢〉、レイ・ブライアントは〈ゴールデン・イアリング〉、デューク・ジョーダンは〈危険な関係〉というようにその人の代表曲というか、ある部分、ミュージシャンより曲が有名になった例は多々ありますが、さてバリー・ハリスはなんでしょう。私は〈ナシメント〉だと思います」。まったくその通りで、アルバムの副題は〈ナシメント〉にして欲しかった。もしかすると、すでに他のアルバムで使っているかと思い、ハリスのディスコグラフィーを確認したが、未使用であることが判明。
Disc 1
1. Like Someone In Love
2. No Name Blues
3. A Time For Love
4. Oblivion
5. My Heart Stood Still
6. Cherokee
7. Nascimento
Disc 2
1. Ornithology - Luminescence
2. I'll Keep Loving You
3. On Green Dolphin Street
4. It Could Happen To You
5. Rhythm-A-Ning
6. Somebody Loves Me
7. Tea For Two
8. Nascimento
9. Encore. East Of The Sun
Barry Harris - piano
Kunimitsu Inaba / 稲葉国光 - bass
Fumio Watanabe / 渡辺文男 - drums
Recorded on May 29, 1995 at Dug, Tokyo.