Art Tatum / アート・テイタムの至芸 II

ジャズ・ゴールド・メダル・コレクションなる企画シリーズが、かつてはあったようだ。その中の1枚。この中古LPを購入した理由は、さっぱり覚えていない。ジャズが分かり始めた頃、スイングジャーナルなどを読み漁って、アート・テイタムは聴いておかなければと思ったのか。トリップ原盤で、テイタムのピアノソロであること以外の録音データは一切なし。ラストの2曲がライブ演奏だが、やはり音源は不明。当然ながら、『至芸 I』があるのだが、無理して探そうと当時は思わなかった。

もう10年以上も前に、このLPは処分してしまった。町田のディスクユニオンで十円だった気がする。数年前にネットで調べたら、中古LPが1件だけヒットした。もしかして、その所有者は自分だったのかも知れない。今回、改めて調べたところ全くヒットせず。熱心なテイタム・ファンがそれを手に入れたのだろう。

1. Among My Souvenirs
2. I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
3. Stay As Sweet As You Are
4. Somebody Loves Me
5. Why Was I Born
6. If I Could Be With You One Hour Tonight
7. Tea For Two
8. Mean To Me
9. Three Little Words
10. I Gotta Right To Sing The Blues
11. Sunny Side Of The Street
12. The Man I Love
13. I Can't Give You Anything But Love, Baby

Art Tatum - piano

Art Tatum / The Tatum Group Masterpieces

油井正一氏がライナーノーツで絶賛している。「夕食のあと、ゆっくり一服つけて鑑賞してごらんなさい。こんないいジャズレコードは滅多にないから」と。油井氏が愛煙家だったかどうかは別にして、ジャケットを見ながら、そんな言葉が浮かんだのだろう。CD帯のキャッチコピーも短い文章でよくまとめている。「ピアノの神様、テイタム。テナーの重鎮、ウェブスター。二人の巨匠が出会い、当時のヒット曲を心のおもむくままに演奏した一作。豊かでのびやかな演奏が、珠玉の輝きを放つ」。

気持ちがゆったりとしてくる。「風と共に去りぬ」が3テイクあっても飽きがこない。このアルバムは、スイングジャーナルのゴールド・ディスクに選ばれている。それだけ価値の高いアルバムであることは確か。しかし、スイングジャーナル社自体が風と共に去ってしまった今では、ゴールド・ディスクにどれだけの価値があるのだろうか。

1. Gone With The Wind
2. All The Things You Are You
3. Have You Met Miss Jones?
4. My One Only Love
5. Night And Day
6. My Ideal
7. Where Or When
8. Gone With The Wind [alternate take 1]
9. Gone With The Wind [alternate take 2]
10. Have You Met Miss Jones? [alternate take]

Ben Webster - tenor saxophone
Art Tatum - piano
Red Callender - bass
Bill Douglass - drums

Recorded on September 11, 1956 in Los Angeles, CA.

Art Tatum / Solo Masterpieces

油井正一氏編集によるアート・テイタムのピアノソロ傑作集。1934年8月から40年7月までの5回の録音から、計16曲が収納されている。油井氏のライナーノーツ(1983年3月14日付け)には、テイタムのエピソードがいろいろと紹介されていて面白い。その中の一つ。

「テイタムはクラブにゆくとまずピアノの前にすわり、88の鍵盤をサーッと弾いて、狂っているキーを頭に入れてしまい、本番の時にはそれらのキーを使わなくすむキーに移調してすべての曲を弾いた、という話には驚くが、クラブに備え付けてあるピアノがおしなべてひどい調律であることを知っていると、この話は信用できる」。このアルバムを聴きながら、そんなエピソードを読むと妙に納得してしまうのだ。当然と書くと、油井氏には失礼なのだが、本作のCD化は全く望めない。

1. Emaline
2. The Shout
3. After You've Gone
4. The Sheik Of Araby
5. Stormy Weather (Keeps Rainin' All The Time)
6. Chlo-E
7. Tea For Two
8. Elegie
9. Sweet Lorraine
10. Get Happy
11. Lullaby Of The Leaves
12. Cocktails For Two
13. Tiger Rag
14. Humoresque
15. Indiana (Back Home Again In Indiana)
16. St. Louis Blues

Art Tatum - piano

Track 1
Recorded on August 22, 1934.

Tracks 2 & 3
Recorded on August 24, 1934.

Tracks 4 - 7
Recorded on November 29, 1937 in NYC.

Tracks 8 - 14
Recorded on February 22, 1940 in Los Angeles, CA.

Tracks 15 & 16
Recorded on July 26, 1940 in Los Angeles, CA.