Sabu / Palo Congo

ブルーノートの中で、最もブルーノートらしくないアルバム。完璧なアフロキューバンである。何故にそんなアルバムを購入したかと言えば、怖いもの見たさ的な出来心。自分がアフロキューバンへたどり着くには、ライ・クーダーのルートぐらいしかない。ところが、ブルーノートが誘ってくれた。限定盤1,100円ならば、まずいランチに出くわしてしまったと諦められる価格である。食わず嫌いも良くないので…。で、食後の感想。アルセニオ・ロドリゲスが弾く3弦ギターなるトレスを知ったことが大きな収穫。

CD帯から。「ラテン・パーカッションの異才がキューバの至宝アルセニオ・ロドリゲスを迎えて放った祝祭的傑作。ブルーノート1500番台の大珍盤ながら、ラテン・ファン必携の超幻の大名盤」。ちなみに、Sabu(サブー)とは、リーダーのルイ・マルティネスのニックネーム。ここでは、セッション・グループの代名詞的な位置付けになっている。

1. El Cumbanchero
2. Billumba-Palo Congo
3. Choferito-Plena
4. Asabache
5. Simba
6. Rhapsodia Del Maravilloso
7. Aggo Elegua
8. Tribilin Cantore

Louis "Sabu" Martinez - congas, bongos, vocals
Arsenio Rodriguez - congas, tres, vocals
Raul "Caesar" Travieso - congas, vocals
Israel Moises "Quique" Travieso - congas
Ray "Mosquito" Romero - congas
Evaristo Baro - double bass
Willie Capo - vocals
Sarah Baro - vocals

Recorded on April 27, 1957 at Manhattan Towers, NYC.

Keith Jarrett / Rio

2011年4月9日、リオデジャネイロでのキースのピアノソロ。Disc 1が39分14秒、Disc 2が51分20秒。全体で16曲、というか16パフォーマンス。単純に平均すると、1曲は6分足らず。伝えたい事、演じたい音楽を端的に表現できるならば、それでよし。ただ、即興であるからこそ、自分一人であるからこそ、楽器との対話を進めることでイマジネーションが湧いてくるはず。結果的に、長尺の演奏となることは、ある意味必然。聴く側も、そのプロセスを感じ取って高揚していくのだ。

それとは反対のアプローチ。このアルバムは演奏が盛り上がってきたところで、あっさりと終わる。余韻を残すこともなく。リオの観客は緊張感を保ち集中しているにもかかわらず、キース自身の緊張感が続いて行かない。1か月後に66歳を迎える時のライブ。衰えが見え始めたのか、それとも演奏スタイルを変えようとしたのか。得意技の雄叫びも、ここでは影を潜めている。

Disc 1
1. Part I
2. Part II
3. Part III
4. Part IV
5. Part V
6. Part VI

Disc 2
1. Part VII
2. Part VIII
3. Part IX
4. Part X
5. Part XI
6. Part XII
7. Part XIII
8. Part XIV
9. Part XV

Keith Jarrett - piano

Recorded on April 9, 2011 at The Teatro Municipal, Rio de Janeiro, Brazil.

Lee Konitz / Motion

後藤雅洋氏の『一生モノのジャズ名盤500』では、このアルバムについて次のように書かれている。「アドリブ一発に勝負を書けたコニッツ畢生の名演。ベースとドラムスだけの贅肉を削いだトリオで即興演奏の極地に挑む心意気やよし。〈中略〉聴き慣れたはずのユード・ビー・ソー・ナイス~がこれほど刺激的だったとは!」。

まったくの同感。そして、ベーシストのソニー・ダラスは、かなり神経をつかったのではないかと想像する。テーマのフレーズからではなく、いきなりアドリブでスタート。ここに、リー・コニッツの本質を見いだせる。所有する輸入盤には、コニッツ自身による解説が載っている。以下は、その後半からの抜粋。コニッツの自信作であることが分かる。

I've been recording since 1949; I have always tried to improvise, - lots of different settings - some things made it for me, some didn't. This particular record means something to me. This was the first time the three of us had played together.(私は1949年からレコーディングしている。多くの異なるセットで、常に即興演奏を試みてきた。うまくいった時もあれば、そうでない時もあった。この特別な録音は、自分にとって何かを意味している。この3人での共演は初めだったんだ)。

Elvin loves to play and gets lots of things going on and the time is always strong; he really is something else. Sonny, to me, is one of the best bass players around. So, I was fortunate to have a good strong rhythm section. Playing with bass and drums gives me the most room to go in whichever direction I choose; a chordal instrument is restricting to me. The thing that I like about this set is that everyone is trying to improvise. The music will speak for itself.(エルビンは演奏することに情熱を持ち、様々なことが進行していく。時間感覚はいつも強烈で、何か違うものを持っている。ソニーは自分の周りで最高のベーシストだ。幸運にも強力なリズムセクションを手に入れることができた。ベースとドラムだけで演奏することは、あらゆる方向へ行く最も広い余地を与えてくれる。和音楽器では制限されてしまうからだ。このセットが気に入っているのは、誰もが即興を試みていることなんだ。音楽自体がそれを物語っている)。

1. I Remember You
2. All Of Me
3. Foolin' Myself
4. You'd Be So Nice To Come Home To
5. I'll Remember April

Lee Konitz - alto saxophone
Sonny Dallas - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on August 29, 1961 at Olmsted Sound Studios, NYC.