Lester Bowie / The Great Pretender

ジャケットの写真が、このアルバムを見事に表現している。闇の中、水面を行く人物が彼方へ消え去ろうとする。ゴスペル的要素を含んだタイトル曲で始まるこのアルバムは、曲が進むにつれて、虚構の世界へ引き込んでいく。レスター・ボウイが仕掛けたトリック。ジャケット写真もよく見ると合成(トリック)であることが分かる。まさしくThe Great Pretender(たいした食わせ者)なのだ。

1. The Great Pretender
2. It's Howdy Doody Time
3. When The Doom (Moon) Comes Over The Mountain
4. Rios Negros
5. Rose Drop
6. Oh, How The Ghost Sings

Lester Bowie - trumpet
Hamiet Bluiett - baritone saxophone
Donald Smith - piano, organ
Fred Williams - double-bass, electric bass
Phillip Wilson - drums
Fontella Bass - vocal
David Peaston - vocal

Recorded in June 1981 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg, Germany.

Lester Bowie / The 5th Power

レスター・ボウイのトランペットは、ある種の粘り気がある。一音一音が解き放されても、それらが絡み合っている感じを受ける。粘り腰のトランペッター。

このアルバムでは、黒人女性ピアニスト&ボーカリストのAmina Claudine Myers(アミーナ・クロディーヌ・マイヤーズ)の存在が大きい。フリージャズの下地に、ゴスペル的要素がうまく溶け込んでいる。タイトルであり最終曲のThe 5th Powerが意味するところは不明であるが、5人のプレイヤーにおける彼女のパワーを示しているのかもしれない。

1. Sardegna Amore (New Is Full Of Lonely People)
2. 3 In 1
3. BBB
4. God Has Smiled On Me
5. The 5th Power

Lester Bowie - trumpet
Arthur Blythe - alto saxophone
Amina Claudine Myers - piano, vocals
Malachi Favors - bass
Phillip Wilson - drums

Recorded on April 12 - 17, 1978 at GRS Studios Milano.

Lester Bowie / Rope-A-Dope

このアルバムをプロデュースしたマイケル・カスクーナが、LPのライナーノーツで興味深いことを書いている(翻訳:瀬戸千也子)。『「ロープ・ア・ドープ」は、ムハメッド・アリが巧みに相手を打ちのめす時のような、重量級の一戦の動きとテンポを音楽で劇化したものである。アリはこの「ロープ・ア・ドープ」という言葉を、彼が雑作なく打ち負かせるように思える対戦相手が延々と連なっていることを表現するのに使っている。このアルバムの音楽はアリからインスピレーションを得て作られたものであり、アリに捧げられたものである』。

アリのWikipediaによると、1974年10月30日、ジョージ・フォアマンを8回KO勝ちで破り王座に返り咲いたときの戦法がrope a dopeとあった。CDのライナーノーツは藍良章氏が担当(Akira Aylerと読むらしい)。藍良氏もアリのことに触れているが、カスクーナの解説を引用せず、まるで自分が仕入れた情報のように書いている。

1. Tender Openings
2. St. Louis Blues (Chicago Style)
3. Mirage
4. Rope-A-Dope

Lester Bowie - trumpet
Joseph Bowie - trombone (tracks 2,4), percussion (track 1)
Malachi Favors Maghostut - bass
Don Moye - drums (tracks 1,2,3), congas (track 4)
Charles Bobo Shaw - drums (tracks 1,2,4)
Raymund Cheng - violin (track 1)

Recorded on 17 June 1975 at Blue Rock Studios, NYC.