Oscar Peterson / Walking The Line

以前、新品のCDで6千円近くだった。廃盤状態になっていたのだろう。コンディション良好で安価な中古CDが出てくるのをじっと待っていて、ようやく600円(送料別)で手に入れた。期待していたのは、ジャケットの差替え。LPは肌や髪の毛を奇妙な色で塗り込んでいるイラスト。ピーターソンはカナダ出身であるが黒人。このイラストは差別的な意味合いがあると感じていた。だが、CDのジャケットはLPをそのまま流用。残念である。

さて、アルバムの中身は差別をモノともせず百点満点。ジョージ・ムラーツのベースもよくスイングしピーターソンをサポートしている。Ray Priceのドラムも決して悪くないが、何者なのかは全く不明。ピーターソンのディスコグラフィーを見ると、Ray Priceとのセッションはこの時のみ。輸入盤CDのライナーノーツにも、ドラマーについてはほとんど触れていない。トラ(代役)だったのかも知れない。スイングジャーナル1976年4月臨時増刊『世界ジャズ人名辞典』にも登場していない。

1. I Love You
2. Rock Of Ages
3. Once Upon A Summertime
4. Just Friends
5. Teach Me Tonight
6. The Windmills Of Your Mind
7. I Didn't Know What Time It Was
8. All Of You

Oscar Peterson - piano
George Mraz - bass
Ray Price - drums

Recorded on November 10, 11, 12 & 13, 1970 at Hans Georg Brunner-Schwer Studio, Villingen, West Germany.

Oscar Peterson / The Way I Really Play

邦題は『オスカー・ピーターソンの世界』。だが、ベストアルバムのタイトルのように思えてしまう。もう一歩近づいて『オスカー・ピーターソンの至芸』ではどうだろうか。まぁ、それも嫌味な感じがしてしまうが、とにかく完璧な演奏。では、ジャズのリスナー全てが「完璧」を求めているかというと、そこが問題なのである。

ピーターソンのピアノは最高のテクニックであることは認めるが、ピーターソン自身が酔っている感じだ。リスナーを酔わせる余裕を感じない。アルバムを聴き終わって、とても心地よい。だけど、次に期待するものがない。変革の兆しを感じないのである。結局のところ、文句のつけようもなく、このアルバムもやはり百点満点。

1. Waltzing Is Hip
2. Satin Doll
3. Our Love Is Here To Stay
4. Sandy's Blues
5. Alice In Wonderland
6. Noreen's Nocturne

Oscar Peterson - piano
Sam Jones - double bass
Bobby Durham - drums

Recorded on November 12, 1967 at Private Studio Of Hans Georg Brunner-Schwer Studio, Villingen, West Germany.

Oscar Peterson / Night Train

ピーターソンのピアノ・テクニックに対して、非常に評価の高いアルバム。それは否定しない。だけど、自分としては聴く順番を間違えてしまったアルバムである。モンク、パウエル、エバンス、キースなどを聴き込んでから、このアルバムに出会った。そのため、どうしようもなく物足りない。技ではなく、心を揺さぶるジャズでしか酔えない体になってしまった。

録音は1962年暮れ。ジャズはすでに大きく変化していたにもかかわらず、ピーターソンは自分達がやれるジャズしかやっていなかったという事実。それが刻まれたアルバムとも言える。ピーターソンならば朝飯前の演奏。なのに、タイトルが「ナイト・トレイン」とは、これ如何に。特にラスト曲「自由への讃歌」の評価が高いようだが、時代背景を考えれば「不自由」でしかない。黒鍵の出番は極めて少なく、白鍵ジャズなのだ。

1. C Jam Blues
2. Night Train
3. Georgia On My Mind
4. Bags' Groove
5. Moten Swing
6. Easy Does It
7. Honey Dripper
8. Things Ain't What They Used To Be
9. I Got It Bad And That Ain't Good
10. Band Call
11. Hymn To Freedom

Oscar Peterson - piano
Ray Brown - bass
Ed Thigpen - drums

Recorded on December 15 & 16, 1962 in Los Angeles, CA.