Lee Morgan / Sonic Boom

1967年4月のセッションを基本にして、アルバムThe Procrastinatorから外された1969年9月と10月のセッションがカップリングされている。2年半の間隔を空けた2つのセッションであって、メンバーも全く異なるが、13曲が違和感なくつながっている。ただし、The ProcrastinatorのCD化で、トラック7から13が組み込まれることにより、重複してしまった。

LPでの最初のリリースは1979年。リー・モーガンが亡くなってから7年後。表紙のモーガンが決まっている。明らかにポーズを取らせたブルーノートのジャケットも珍しいのではないだろうか。右手の人差し指がタイトルSONIC BOOMを突き刺している。左上のモーガンの小さな写真は無駄、というか邪魔している。ジャケットは数種類存在している模様で、これもブルーノートとしては珍しいのだ。

1. Sneaky Pete
2. The Mercenary
3. Sonic Boom
4. Fathead
5. I'll Never Be The Same
6. Mumbo Jumbo
7. Free Flow
8. Stormy Weather
9. Mr. Johnson
10. The Stroker
11. Uncle Rough
12. Claw-Til-Da
13. Untitled Boogaloo

Tracks 1 - 6
Lee Morgan - trumpet
David Newman - tenor saxophone
Cedar Walton - piano
Ron Carter - bass
Billy Higgins - drums
Recorded on April 14 & 28, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tracks 7 - 13 - originally part of "The Procrastinator"
Lee Morgan - trumpet
George Coleman - tenor saxophone
Julian Priester - trombone
Harold Mabern - piano
Walter Booker - bass
Mickey Roker - drums
Recorded on September 12 (tracks 8, 9 & 13) and October 10 (tracks 7, 10-12), 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

高田渡 / 貘

さて、高田渡のアルバムであるが、渡だけのアルバムではない。多くのミュージシャンが関わっている。サブタイトルは「詩人・山之口貘をうたう(監修・高田渡)」となっている。そして、CDの帯にはこう書いてある。「ボクは今、やっと山之口貘さんに逢えた様な気がします。ステキな詩は反芻(はんすう)しながら生きていくと思っています」。

この反芻という言い方が、渡らしい。渡の生き方は反芻だったような。決して唄を作り続けるとは思っていなくて、自分の「唄」を探し続けてきた人生ではなかったのか。ライナーノーツには、こうも書かれている。「山之口貘さんの詩に出会ったのは、ボクが十八の頃。一年程本棚の片隅に眠っていた。…気がつくと貘さんのトリコになっていた、いつの間にか歌っていた」。その代表曲が「生活の柄」。渡が最初に録音したのは、1971年のアルバム「ごあいさつ」。それから人生を終えるまで歌い続けてきた。1曲目「年齢」以外は、全て貘の詩。ブックレットには、その原詩が載っている。いわば、このアルバムは貘の詩集とも言えるのだ。

1. 年齢・歯車
2. 結婚
3. 深夜
4. たぬき
5. 座布団
6. 告別式 I
7. 玩具
8. 第一印象
9. 鮪に鰯
10. 頭をかかえる宇宙人
11. 貘
12. 会話
13. 紙の上
14. 告別式 II
15. ものもらい
16. 石
17. 夜景
18. 生活の柄

・ 参加ミュージシャン:高田渡, 大工哲弘, 佐渡山豊, 石垣勝治, 嘉手苅林次, つれれこ社中, 大島保克&オルケスタ・ボレ, ふちがみとふなと, 渋谷毅, 内田勘太郎(from憂歌団), ローリー, 関島岳朗, 中尾勘二, 桜沢有理
・ 録音:1997.12 - 1998.4 国際貿易スタジオ(那覇・泊), ふぉるく(東京・大森), SPACE VELIO(東京・阿佐ヶ谷)
・ 発売:1998年5月23日

Joseph Jarman / Inheritance

1983年12月12日録音。LPを購入したのは、1984年4月8日。その証拠がライナーノーツに押印されている。もう38年前のことである。当時は、もらった給料から生活費を先に抜いて、残りはレコードに費やしていた(今もあまり変わらないけど)。インターネットは未整備で、ホームページやブログがなかった時代。ジャズの情報を得るのは月刊誌『スイングジャーナル』であり、購入したアルバムの記録を残すのは、「紙」ベースであった。

ジョセフ・ジャーマン。AEOC - Art Ensemble Of Chicago のメンバー。AEOCで活動しながら、リリースしたリーダーアルバム。ある種、コルトレーン後期、いや晩期と言うべき演奏スタイルも感じられ、80年代の新たな流れを作ろうとしたのかも知れない。ただ、それは決して野心的でもなく、商業ベースの思惑もなかったはず。ジャーマンは、1979年6月に山下洋輔とアルバムFirst Timeを録音している。それから4年後に、このアルバムに取り組んだ。7曲目は「オー先生に捧げる」。武術の先生だったらしい。山下とのセッションを通じて、日本のジャズや文化に興味を抱いたジャーマン。タイトルInheritanceは遺産継承の意味。CD化はされているものの、中古市場にはほとんど出回っていない。継承されていないのだ。

1. Inheritance
2. Petite Fleur
3. Old Time South Street Dance
4. Blues For Alice
5. Unicorn In Shadows
6. Love Song For A Rainy Monday
7. Oh Sensei Ni Sasageru

Joseph Jarman - soprano saxophone, tenor saxophone, c flute, b flute
Geri Allen - piano, synthesizer
Fred Hopkins - bass
Famoudou Don Miye - percussion

Recorded on December 12, 1983 at Vanguard Recording Studios, NYC.