Pink Floyd / Atom Heart Mother

このアルバムを語れる資格はない。少なくとも今夜は。思いつきで棚から取り出したら、この原子心母だった。1970年、衝撃的なアルバムであったことは確か。しかし、40年以上経った今、しかも月曜日と言う落ち着かない夜に聴くと、「ご苦労様でした」と言わざるを得ない。

今だから言えるのだろうが、繋ぎ切れなかった音楽である。時代を象徴したのは確か。それでいいんだと終わった音楽。ここに、ジャズとの決定的な違いがある。自分の中での例外はディラン。

振り向いた牛が語っている。「おい!こういう音楽をトコトンやるんだろうな。えっ!今回で終わりかい?乳がもうでないぞっ!」

「創った音楽」と「創らなければならなった音楽」の違い。ちょっと概念的ではあるが…。

1. Atom Heart Mother
I. Father's Shout
II. Breast Milky
III. Mother Fore
IV. Funky Dung
V. Mind Your Throats Please
VI. Remergence
2. If
3. Summer '68
4. Fat Old Sun
5. Alan's Psychedelic Breakfast
I. Rise And Shine
II. Sunny Side Up
III. Morning Glory

David Gilmour - guitars, drums on "Fat Old Sun", vocals on "Fat Old Sun"
Nick Mason - drums, percussion, tape editing, tape collage, additional engineering on "Alan's Psychedelic Breakfast"
Roger Waters - bass guitar, acoustic guitar and vocals on "If"
Richard Wright - keyboards, vocals on "Summer '68"

Additional musicians
EMI Pops Orchestra - brass and orchestral sections
John Alldis Choir - vocals
Alan Stiles - voice on "Alan's Psychedelic Breakfast"

Recorded February - August 1970 at Abbey Road Studios, London, England.

大滝詠一 / A Long Vacation

今日は大滝詠一の命日。2013年12月30日他界(享年65)。はっぴいえんどの頂点は1971年のアルバム『風街ろまん』。時代の「風」を受け、「街」を日本語ロックで表現した最高傑作。大滝が20代前半の作品。それから10年後、本作をリリース。

4曲目のPap-Pi...は大滝の作詞作曲。それ以外は、松本隆(作詞)と大滝(作曲)によるもの。しかし、はっぴいえんど色は、ここには一切ない。10年間の「長期休暇」を終えた大滝のメッセージが詰まっている感じがする。

1. 君は天然色
2. Velvet Motel
3. カナリア諸島にて
4. Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語(ストーリー)
5. 我が心のピンボール
6. 雨のウェンズデイ
7. スピーチ・バルーン
8. 恋するカレン
9. FUN×4
10. さらばシベリア鉄道

発売 1981年3月21日

Neil Young / Barn

2021年に購入した新作のアルバムは、このBarnとチャールス・ロイドのTone Poemだけ。ボブ・ディラン、ライ・クーダー、吉田拓郎、ソニー・ロリンズ、ウェイン・ショーター、キース・ジャレット。彼らから新作は出て来なかった。チック・コリアは2月に他界してしまったし…。まぁ、自分が常に追いかけているミュージシャンが確実に年齢を重ねているという事実でもある。

そんな中で、ニール・ヤングの新譜を知った時は、迷わず購入を決めた。さらに、ジャケットの写真が素晴らしく、「メガジャケ付」を選択。アルバムはSong Of The Seasonsからスタート。そこでは、「透明なビニールの窓越しから見える街と灯り、マスクをした人が行きかい、思いやりが目に映る」と。そして、ラスト曲Don't Forget Loveで、「嵐が来て灯りが消えても愛を忘れるな」と歌う。コロナ禍だからこそ、愛を歌ったニール・ヤング。

1. Song Of The Seasons
2. Heading West
3. Change Ain't Never Gonna
4. Canerican
5. Shape Of You
6. They Might Be Lost
7. Human Race
8. Tumblin' Thru The Years
9. Welcome Back
10. Don't Forget Love

Neil Young - guitar, piano, harmonica, vocals
Nils Lofgren - guitar, piano, accordion, vocals
Billy Talbot - bass, vocals
Ralph Molina - drums, vocals

Recorded in 2020–2021.
Released on December 10, 2021.