Tina Brooks / Back To The Tracks

かつて「幻の名盤」と言われていたアルバム。英文Wikipediaによると、ティナ・ブルックス名義の1960年10月20日のセッションは、ジャケットを含めてリリースの準備は全て整っていたものの、収録曲David the Kingの品質が非常に悪く、棚上げになったとのこと。この「品質」とは演奏内容なのか、録音ミスなのかは不明。常識的には後者であろう。前者ならば、参加メンバーから録り直しのリクエストが出たはずである。

1985年、マイケル・カスクーナによってテープが発掘され、ボックスセットの一部として公開。日本では90年に単品でリリースする際、曲数が足りなく9月1日のセッションから1曲を加えた。このセッションはジャッキー・マクリーン名義で、アルバムJackie's Bagとしてリリースされている。ゆえに、本作のジャケットにはマクリーンの名前がないのだ。そんな裏技を使わず、ボツになったDavid the Kingを入れてこそ、「真の幻の名盤」になったはずである。

1. Back To The Tracks
2. Street Singer
3. The Blues And I
4. For Heaven's Sake
5. The Ruby And The Pearl

Tina Brooks - tenor saxophone
Jackie McLean - alto saxophone (track 2)
Blue Mitchell - trumpet
Kenny Drew - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Tracks 1, 3, 4 & 5
Recorded on October 20, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Track 2
Recorded on September 1, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tina Brooks / True Blue

「ジャケット買い、ジャケ買い」なる言葉がある。アルバムの演奏内容に関係なく、ジャケットが気に入って購入してしまうこと。このアルバムは、内容もさることながら、ジャケットのイラストが最高!ブルーノートの中でNo.1と断言したい。

11色の青を配置し、左上から右下へBlue In and Out / Gabual Blue / Alice Blue / Blue-Hoo / Sticks like Blue / Blue Away / True Blue / Too Blue / I Love Blue / Blue or False / Blue Jeans / Blue Noteとキャプションが付いている。True Blueは黒を背景にしたティナ・ブルックスの写真。ただし、上段左から2番目が、Gabualなのかは正確に読み取れない。ジャケットのタイトル文字TRUE BLUEは、この色に近いのだが…。さらに、キャプションBlue or FalseはTrue or Falseからの発想だろう。描かれた青色とキャプションを見比べながら聴いても、楽しめるアルバムである。

1. Good Old Soul
2. Up Tight's Creek
3. Theme For Doris
4. True Blue
5. Miss Hazel
6. Nothing Ever Changes My Love For You

Tina Brooks - tenor saxophone
Freddie Hubbard - trumpet
Duke Jordan - piano
Sam Jones - bass
Art Taylor - drums

Recorded on June 25, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.