Ry Cooder / The Prodigal Son

アルバムThe Prodigal Sonは、2012年8月のアルバムElection Specialから、6年振りの18年5月にリリース。自分は同年10月に輸入盤を入手。長年待たされ続けただけにあって、期待が高かった。だが、裏切られたとまでは言わないものの、今一つ熱さが伝わってこなかった。自分の感性が衰えたとも言えるが、それぞれの収録曲に込められたメッセージを受け止めるには、自力で歌詞を訳さなければならないと言う事なのだ。そうでないと、このアルバムには迫れない気がする。

例えば、アルバムタイトルにしたトラディショナル曲The Prodigal Son(放蕩息子)。この曲をタイトルにした理由は、歌詞を読み取るしかない。そして、そこからジャケットのデザインも見えてくるはずだ。ところで、このアルバム以降、ライ名義のアルバムは世に出ていない。それが気になる。写真は、所有するライのアルバム20枚。

1. Straight Street
2. Shrinking Man
3. Gentrification
4. Everybody Ought to Treat A Stranger Right
5. The Prodigal Son
6. Nobody's Fault But Mine
7. You Must Unload
8. I'll Be Rested When The Roll Is Called
9. Harbor Of Love
10. Jesus And Woody
11. In His Care

Ry Cooder - vocals, guitar, banjo, mandolin, bass, keyboard
Joachim Cooder - drums, percussion
Robert Francis - bass on "you must unload"
Aubrey Haynie - violin on "you must unload"
Terry Evans, Arnold McCuller, Bobby King - vocals

Ry Cooder / Election Special

アルバムを「旬」があるかないかで分けるとするならば、本作は「旬がある最右翼」に位置する。なにしろタイトルがElection Special(選挙特番)なのだ。2012年11月のアメリカ大統領選挙の3カ月前にリリース。選挙は、民主党候補Barack Obama(バラク・オバマ)と共和党候補Mutt Romney(ミット・ロムニー)の戦い。1曲目Mutt Romney Bluesから幕を開ける。つまり、共和党をこき下ろすアルバム。

ワーナーミュージックのアルバム紹介から。「孤高のギタリスト、ライ・クーダー。前作〈プル・アップ・サム・ダスト・アンド・シット・ダウン〉から1年…早くもニュー・アルバム完成!アメリカ大統領選に物申す!ライ・クーダーが現代アメリカの政治と大統領選を鋭く斬る。レイドバックしたギター・サウンドにのせて歌うのは、彼が現代アメリカの政治・社会に一言申したい事、そして伝えたい事。アルバムの殆どは、ライ・クーダー(ボーカル、ギター、マンドリン、ベース)と息子のホアキム・クーダー(ドラムス) によるもの」。リリースから10年を経た今、明らかに賞味期限は過ぎてしまったアルバムと言わざるを得ない。

1. Mutt Romney Blues
2. Brother Is Gone
3. The Wall Street Part Of Town
4. Guantanamo
5. Cold Cold Feelings
6. Going To Tampa
7. Kool-Aid
8. The 90 And The 9
9. Take Your Hands Off It

Ry Cooder - bass, guitar, mandolin, vocals
Joachim Cooder - drums
Arnold McCuller - harmony vocals

Recorded in 2011 - 12 at Drive-By Studios, North Hollywood and Wireland Studios, Chatsworth, LA.
Released on August 16, 2012.

Ry Cooder / Live In San Francisco

ライ・クーダーの本質は、様々な地域や土地に根差した音楽を自分の肥やしにしていること。なので、ライのライブは「玉手箱」。彼が吸収してきた音楽ルーツをアルバムから感じ取ることができる。ライ的ワールドミュージックとでも呼びたい。その魅力に寄せられて、彼のアルバムを20枚集めてしまった。まだまだ聴き方が浅いのだが、ライの音楽に迫るためには、彼が歩んで来た土地へ足を運ぶしかないのだろう。

メキシコの6人組グループCorridos Famosos、さらに10人組ブラスグループLa Banda Juvenilを巻き込んでのライブアルバム。会場は徐々に熱気を帯び昂奮の坩堝へ。ジャケットを見開くと、ライを含めた総勢17人の集合写真。なんとなく全員の表情が硬いので、演奏前の写真のようだ。

1. Crazy 'Bout An Automobile
2. Why Don't You Try Me
3. Boomer's Story
4. Lord Tell Me Why
5. Do Re Mi
6. School Is Out
7. The Dark End Of The Street
8. El Corrido De Jesse James
9. Wooly Bully
10. Volver Volver
11. Vigilante Man
12. Goodnight Irene

Ry Cooder - vocals, guitar
Terry Evans, Arnold McCuller, Juliette Commagere - vocals
Joachim Cooder - drums
Robert Francis - bass
Flaco Jimenez - accordion

La Banda Juvenil
Edgar Castro - timbale, snare
Everardo Rodriguez - bass drum
Pablo Molina - sousaphone
Carlos "Carlitos" Gonzalez - trumpet
Arturo Gallardo - clarinet, alto saxophone, bass saxophone
Julian Diaz - trumpet
Abel Guerra - trombone
Alonso Chavez - alto horn
Gilberto Carbajal - trumpet
Willie Jimenez - clarinet

Recorded on August 31 and September 1, 2011 at The Great American Music Hall, San Francisco.