加川良 / 親愛なるQに捧ぐ

高田渡のマネージャーを務めていた加川良。「Q」とは高田渡のことである。48年前の録音。何度となくターンテーブルに載せてきた。多くのLPを手放したが、このLPは決して手放すことができない。本作の録音の前年である1971年、アルバム『風街ろまん』を録音した「はっぴいえんど」のメンバー3人が参加していることに注目。所属していたレーベル・URCレコードのつながりである。

5曲目の鎮静剤(原詩:マリー・ローランサン、訳詩:堀口大学)は高田渡も作曲しているが、加川良の曲の方が師匠を超えている。高田渡は2005年4月16日に56歳で、本作にコーラスで参加した大瀧詠一は2013年12月30日に65歳で他界。そして、加川良は2017年4月5日に69歳で逝ってしまった。

1. 偶成
2. こがらし・えれじぃ
3. 夕焼けトンボ
4. 靴ひもむすんで
5. 鎮静剤
6. こもりうた
7. 下宿屋
8. 白い家
9. コオロギ
10. 親愛なるQに捧ぐ

今井裕 - piano
渡辺勝 - piano
細野晴臣 - piano, electric bass
駒沢裕城 - steel guitar, doburo
武川雅寛 - fidle
中川イサト - acoustic guitar
伊藤銀次 - electric guitar
村上律 - chorus
若林純夫 - chorus
大瀧詠一 - chorus
岩井宏 - chorus
松本隆 - drums
吉野金次 - strings arrangement

録音 1972年4月20日

加川良 / 教訓

発売から50年近くになるアルバムであるが、今でもLPを所有している。しかも帯びつき。状態もかなりいい。見開きのアルバムに次のデータが記載されている。頑張った人の「あいうえお順」リスト。あがた森魚から始まり、岩井宏、大滝詠一、斉藤哲夫、鈴木茂、高田渡、早川義夫、細野晴臣、松本隆などの名前が並び、最後は村上律である。

「ゼニの効用力について」は、完全にはっぴいえんどのサウンド。そして「戦争しましょう」。よく発禁にならなかったと今更ながら思う。中学生の頃、自分にとってのヒーローは拓郎でも陽水でもなく、加川良だった。2017年4月5日、急性骨髄性白血病で死去。享年69。

1. 教訓1
2. できることなら
3. 悲しい気持で
4. 夜明け
5. 戦争しましょう
6. その朝
7. 求めます
8. 妹に送る唄
9. あきらめ節
10. 赤土の下で
11. ゼニの効用力について
12. 伝道

録音 1971年3-4月

加古隆 / パリは燃えているか

2016年8月、青春18きっぷで新潟、秋田、盛岡への一人旅に出た。旅の目的は3つ。亡き母が育った秋田市鷹匠町(現在の千秋中島町)の実家跡の様子を確認し、母に報告すること。そして、秋田の老舗ジャズ喫茶『ロンド』の訪問。最後は、盛岡のジャズ喫茶『開運橋のジョニー』の再訪。

『ロンド』を訪ねたのは、ちょうど4年前の8月15日。マスターの那珂(なか)さんが「今日は終戦記念日だよなぁ。ならば、このアルバムをかけるか」と、加古隆の「パリは燃えているか」を大音量で流してくれた。NHKスペシャル『映像の世紀』のオリジナル・サウンドトラック完全版である。写真は『ロンド』店内。店の隣では地ビール『あくら』を製造販売している。2010年11月2日にスタートしたブログ「日々JAZZ」が、このアルバムでブログ数4,000に到達。「日々」は単なる看板ではない。

1. パリは燃えているか(オープニング・テーマ)
2. 時の刻印II
3. 大いなるもの東方よりII
4. パリは燃えているか(ピアノトリオ・ヴァージョン)
5. 最後の海戦
6. 森は失われた
7. パリは燃えているか(オルガン・ヴァージョン)
8. ワン・ワールド
9. 狂気の影
10. パリは燃えているか(オーケストラ・ショート・ヴァージョン)
11. シネマトグラフIII
12. 最後の海戦II
13. パリは燃えているか(ブラス・ヴァージョン)
14. 未来世紀
15. ザ・サード・ワールドII
16. パリは燃えているか(ジャズ・ヴァージョン)
17. 時の刻印III
18. 睡蓮のアトリエII
19. パリは燃えているか(ピアノソロ・ヴァージョン)

制作 2016年1月20日