Kenny Burrell / At The Five Spot Cafe

ケニー・バレルのイントロダクションに続くBirk's Worksで、ご機嫌なスタートを切る。そして、ボビー・ティモンズのピアノがぴったりはまる。ところが、次のHallelujahで、アート・ブレイキーがタイコを叩き過ぎ。ここで、バレルのギターをたっぷり聴かせるアルバムでないことが分かる。メンバーを改めて眺めれば、うなずけるのだ。

アート・ブレイキーのディスコグラフィーを調べると、下記のセットとなっている。ティナ・ブルックスは2セットをやって帰宅(?)、ボビー・ティモンズは中抜け。代りにローランド・ハナが入り、ティモンズが戻ってきたらまた交代。観客は十分に楽しめたのだろうが、アルバムとしては落ち着きがない。ジャケットには、KENNY BURRELL with ART BLAKEYとあるので、「しっとりとは聴かせないよ」と暗に記しているのだ。

・ 2nd set - Tina Brooks, Bobby Timmons, Kenny Burrell, Ben Tucker, Art Blakey / Birks' Works, Lady Be Good
・3rd & 4th set - Roland Hanna, Kenny Burrell, Ben Tucker, Art Blakey / Hallelujah, 36-26-36
・5th set - Bobby Timmons, Kenny Burrell, Ben Tucker, Art Blakey / Lover Man

1. Introduction By Kenny Burrell
2. Birk's Works
3. Hallelujah
4. Lady Be Good
5. Lover Man
6. 36-23-36

Kenny Burrell - guitar
Tina Brooks - tenor saxophone (tracks 2,4)
Bobby Timmons - piano (tracks 2,4,5)
Roland Hanna - piano (tracks 3,6)
Ben Tucker - bass
Art Blakey - drums

Recorded on August 25, 1959 at The Five Spot Cafe, NYC.

Kenny Burrell / Blue Lights Vol.2

ギタリスト名義のアルバムは、当然ながらギターが全面的にフィーチャーされていて、それを覚悟し期待して聴くことになるのが普通。ところが、ここでの2部作のアルバムは、ケニー・バレルの心地よいギターを堪能できるものの、決してギターが主役になっている訳ではない。

ドラムのアート・ブレイキーも自分が主役でないことを自覚し裏方に徹している。参加したメンバーが、このアルバムの意図することを理解して録音に臨んだのだろう。だが、タイトルBlue Lightsの意味するところが、今でも不明。ジャケットはAndy Warhol(アンディ・ウォーホル)の作品。このタイトルがBlue Lightsなのかも知れない。

1. Rock Salt
2. The Man I Love
3. Chuckin'
4. Phinupi

Junior Cook - tenor saxophone (tracks 1,3,4)
Tina Brooks - tenor saxophone (tracks 1,3)
Louis Smith - trumpet
Kenny Burrell - guitar
Duke Jordan - piano (tracks 2,4)
Bobby Timmons - piano (tracks 1,3)
Sam Jones - bass
Art Blakey - drums

Recorded on May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.

Kenny Burrell / Blue Lights Vol.1

タイトルBlue Lightsで、Vol.1とVol.2に分散されてリリース。1958年5月14日の1日だけのセッションながら、ピアノはデューク・ジョーダンとボビー・ティモンズが入れ替わって参加している。ケニー・バレル名義のアルバムなのに、二人のピアニストに声を掛けた理由が分からない。プロデューサーAlfred Lion(アルフレッド・ライオン)が、ブッキングのミスを犯してしまったのかと勘繰ってしまう。

ジャケットのイラストから、バレルのギターをしっとりと聴かせるアルバムと想像してしまうが、フロント3管で厚みのあるブルースが主体。むしろ、バレルのギターは後方支援に廻っている感じだ。3曲目のAutumn In New Yorkを除いて、ジャズギター好きには、あまりお勧めできないギタリスト名義のアルバムということになる。

1. Yes Baby
2. Scotch Blues
3. Autumn In New York
4. Caravan

Junior Cook - tenor saxophone (tracks 1,2,4)
Tina Brooks - tenor saxophone (tracks 1,2,4)
Louis Smith - trumpet (tracks 1,2,4)
Kenny Burrell - guitar
Duke Jordan - piano (tracks 1,2)
Bobby Timmons - piano (tracks 3,4)
Sam Jones - bass
Art Blakey - drums

Recorded on May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.