「鼓童はジャズなのか?」と問われると、Yesとは答え難い。しかしながら、山下洋輔と日野皓正が参加しているので、このアルバムに関してはジャズ的と言っていいだろう。だが、このライブは少し無理があったと思う。鼓童の太鼓に洋輔は柔軟に対応する。だが、洋輔のピアノに鼓童は対応することができない。それは「一対多」という構図のため。観客は、非常に盛り上がっているものの、冷静に音源を聴くと、決めたシナリオ通りということが分かる。
鼓童がジャズミュージシャンの洋輔と皓正を巻き込んで、新たなアプローチを、というのは理解できるが、結局のところ、真剣勝負の場面は現れてこないのだ。詳しく調べていないものの、鼓童とジャズプレイヤーとのコラボレーションは、この後には行われていないようである。なので、鼓童はジャズではないのだ。
1. 眠りのライオン
2. 族
3. 海流
4. LION
5. 月の精
6. Island Fantasia
7. Never Alone
8. 彩
鼓童
日野皓正- trumpet (tracks 3,4,6-8)
山下洋輔 - piano (tracks 2,3,5,7,8)
Lecie Wright - vocals (tracks 1,7,8)
Recorded on July 24, 1991 at Shibuya Orchard Hall, Tokyo.