本田竹曠 / This Is Honda

日本のジャズアルバムを代表する一枚。唯一の欠点は、オリジナルの作品がないこと。原材料は輸入なのである。ジャズの演奏において、テーマとなる楽曲はある意味できっかけでしかない。それを基材にしたアドリブが勝負の世界。だが、一つの例として、3曲目の'Round Midnightで原作者のモンクを超えることは決してできなかったはず。

タイトルをThis Is Hondaとしたならば、自身の作品を少なくとも一曲は持ち込むべきだったろう。海外で通用するアルバムにならなかった理由が、ここにあると思う。本作の2ヵ月前に録音されたチック・コリアのアルバムReturn To Foreverが一つの指針だった。厳しい言い方だが、本田の甘さがここにあった。

1. You Don't Know What Love Is
2. Bye Bye Blackbird
3. 'Round Midnight
4. Softly, As In A Morning Sunrise
5. When Sunny Gets Blue
6. Secret Love

本田竹曠 - piano
鈴木良雄 - bass (except track 3)
渡辺文男 - drums (except track 3)