Bob Dylan / 自由に生きる言葉

イースト・プレス 2007年4月10日発行 定価1,000円

2009年3月に古本で購入した。ディランが吐きだしてきた言葉がちりばめられている。180ページ近い本であるが、10分もあれば一気に読めてしまう。だが、ディランの言葉をしっかり受け止めるには、ときどき本棚から出して、反復しなければならない。

表紙にある「なにかをやるときには、体をのめり込むんだ。」は1983年のニューヨークで。これまで、何度この本を引っ張り出してきただろうか。

今夜の収穫。「進もうと思えば、どの方向にだって進めるのさ。」(1985年 ニューヨーク)

中山康樹 / ディランを聴け!!

中山康樹著 旬報社刊 2000年4月10日発行 定価3,000円。所有するディランのアルバムに収録された曲の歌詞を自力で訳すプロジェクト「徒然ディラン」を、2018年1月16日「風に吹かれて」からスタート。もちろん、完璧に自力だけでとはいかず、アルバムに同梱された訳詞、ネットから拾い集めた情報、そして書籍を参考にした。その中で、頻繁にチェックしたのが本書である。

ディランが歌った513曲を取り上げ、1曲毎に1ページを使って解説している。だが、ここでの「チェック」というのは、「役に立った」という意味ではない。中山氏は「ディランを聴け!!」と言っているが、歌詞をほとんど読み解いていない。「音」のみで聴いているだけなのだ。自分が取り組んだ720曲を超える歌詞を訳し終わった2020年4月5日、「ディランの歌詞を読み解け!!」と故中山氏に向かって叫んだのだ。

The Beatles / Let It Be... Naked

オリジナルのアルバムLet It Beを何度も聴き、耳が馴染んでいたので、このネイキッドを初めて聴いた時は、何となく違和感があった。オリジナルは1970年5月、ネイキッドは2003年11月のリリースである。ポール・マッカートニーは、オリジナルの、特にThe Long And Winding Roadのアレンジには強い不満を持っていたのだ。

ポールはリミックスした形での再リリースを計画し、リンゴ・スター、オノ・ヨーコ、ジョージ・ハリスンの同意を得て実現したアルバム。しかし、30年という長い間、ポールはよく我慢していたものだ。タイトルのNaked(裸の)通り、無駄な装飾を取り去った形になっている。オリジナルは厚化粧、ネイキッドは薄化粧。そんな感じである。どちらを選ぶかは、好みの問題。なお、ネイキッドではオリジナルに収録されたDig ItとMaggie Maeが省かれ、Don't Let Me Downが入っている。そして、曲順も大きく異なる。このことも好みを左右するだろう。自分としては、30年間のポールの怨念を背負ったネイキッドに軍配を上げたい。

Disc 2には、1969年に行なわれたゲット・バック・セッションから抜粋された歌と会話を収録。ボーナス・ディスクであるが、単なるオマケ。

Disc 1
1. Get Back
2. Dig A Pony
3. For You Blue
4. The Long And Winding Road
5. Two Of Us
6. I've Got A Feeling
7. One After 909
8. Don't Let Me Down
9. I Me Mine
10. Across The Universe
11. Let It Be

Disc 2 - Fly On The Wall [21min58sec]
Sun King / Don't Let Me Down / One After 909 /
Because I Know You Love Me So / Don't Pass Me By /
Taking A Trip to Carolina / John's Piano Piece /
Child Of Nature / Back in the U.S.S.R. / Every Little Thing
Don't Let Me Down / All Things Must Pass /
She Came In Through the Bathroom Window /
Paul's Piano Piece / Get Back / Two Of Us / Maggie Mae /
Fancy My Chances With You / Can You Dig It? / Get Back

John Lennon - vocals, guitars, bass guitar, lap steel guitar
Paul McCartney - vocals, bass guitar, acoustic guitars, piano, organ, electric piano
George Harrison - guitars, vocals, sitar, tambura
Ringo Starr - drums
George Martin - organ, percussion
Billy Preston - organ, electric piano

Recorded in 4 February 4, 1968, January 2 - 31, 1969, January 3 & 4, 1970 at EMI and Apple studios, and Twickenham Film Studios, London.

Released on 17 November, 2003.