Art Farmer / Two Trumpets

アート・ファーマーとドナルド・バードのトランペッター二人による掛け合いを企画したアルバム。タイトルもジャケットも極めて単純。だが、その企画を徹底しなかったことが、このアルバムの最大の欠点。3曲目のWhen Your Lover Has Goneにバード、5曲目の'Round Midnight にファーマーは参加していない。非公式な正式タイトルはAlmost Two Trumpetsである。

ライナーノーツでIra Gitler(アイラ・ギトラー)が、トランペッター掛け合いの3曲を詳しく解説。そして、ソロ2曲についてはあっさりと書いている。「ファーマーは自らのソロ・ナンバーとしてWhen Your Lover Has Goneを選んだ。'Round Midnightはバードをフィーチャーした演奏。彼は曲と一体になって見事なプレイを繰り広げる」とある。タイトルやジャケットを意識せずに、ジャッキー・マクリーンを含んだフロント3管による50年代半ばのセッションを素直に楽しめばよいアルバムなのだ。

1. The Third
2. Contour
3. When Your Lover Has Gone
4. Dig
5. 'Round Midnight

Art Farmer - trumpet (tracks 1-4)
Donald Byrd - trumpet (tracks 1,2,4,5)
Jackie McLean - alto saxophone (tracks 1,2,5)
Barry Harris - piano
Doug Watkins - bass
Art Taylor - drums

Recorded on August 3, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Art Farmer / When Farmer Met Gryce

1954年5月、55年5月の2つのセッションを1つにまとめたアルバム。当然ながら、どちらのセッションにもアート・ファーマーとジジ・グライスが参加。しかし、ピアノ、ベース、ドラムは異なる。ファーマーが2曲(トラック3と8)、残りの6曲はグライスがそれぞれの作品を提供している。ファーマーとグライスの組合せを企画したアルバムと思われるが、なぜに録音に1年の期間を開けてしまったのか。

ジャケットは「やぁ、1年振りだな。セッションの続きをやろうぜ」という感じ。しかし、二人とも同じような出で立ちでオーバーを着ている。5月のセッションなのに。アルバム全体はゆったりしたよい雰囲気だが、謎が解けないアルバムでもある。

1. A Night At Tony's
2. Blue Concept
3. Stupendous-Lee
4. Deltitnu
5. Social Call
6. Capri
7. Blue Lights
8. The Infant's Song

Tracks 1 - 4
Art Farmer - trumpet
Gigi Gryce - alto saxophone
Horace Silver - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on May 19, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 5 - 8
Art Farmer - trumpet
Gigi Gryce - alto saxophone
Freddie Redd - piano
Addison Farmer - bass
Art Taylor - drums
Recorded on May 26, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.